私が2019年に統合失調症になった時の体験談、第2回です。
作り物の世界の中で
トート(幻聴)と会話するようになってから、思考が加速し、日記を兼ねるメモがすごい長さになっていきました。
それにつれて睡眠時間は不規則になりました。
ここからは、まだら状の記憶で出来事の順番が曖昧なのですが、覚えている範囲で書いていきます。
ある日、目が覚めると私はバーチャルリアリティの中にいました。
近所の家はハリボテだし、日光もどこか嘘っぽい。
まるで現実そっくりに作られた世界の中で、私ひとりだけが生きていました。
私はなぜか、当時興味のあったテロス(シャスタ山にあると言われる地下都市)に行こうと思い立ち、寝間着のまま外出しました。
小雨だったので傘を差し、重たいノートパソコンの入ったバッグを持って、駅前へと歩いていきました。
もしかしたら新幹線で東京に出て、そこからシャスタ山のあるアメリカを目指そうとしたのかもしれません。
持っている傘が左右に揺れると、それにも意味を見出し、トートやミカエルが右脳と左脳や光と闇の二元性のバランスをとってくれているのだと感じました。
やがて、パソコンを持っているのがしんどくなり、重たいそれを道端に捨て置きました(後日無事に返ってきました)。
不審者になった出来事
まっすぐな道をひたすら歩き、そのうち傘も地下通路に捨て置いて、たどり着いたのは駅に近いマッサージ店でした。
そこは以前一度だけ利用したことがあり、その時の私はなぜか、その店のベッドに横になるのをゴールにしていました。
そこから目的地へテレポートできると思ったのかもしれません。
人はNPCだし、車は自動で動いている。
そんな妙な感覚のまま入店し、当然引き止められた私は、店員さんに「あなたは〇〇さんですか?」などと質問しました。
否定されると目を閉じて視覚を断ち、同じ質問をしたり、店の出入り口にある観葉植物の声を聞こうとしたりしました。
そして、しまいには床に倒れ込みました。もう自分でも何をどうしたらいいのかわからなかったのです。
誰かが狂気の本もしくはゲームを創り、それに迷い込んでしまったように思えました。
通報に駆けつけた警察官たちによって車に積み込まれ、運ばれていく時は、まるで救急車に乗ったような救いを感じていました。
気づくとトイレのある狭い部屋にいて、無地の壁に幾何学模様のようなものが見えていました。
檻のようなそこに人が来て、名前や連絡先を訊かれたのをぼんやりと覚えています。
どれだけ時間が経ったのかわかりません。
家族が迎えに来て、私はそこから出ることができました。
あとから知ったのですが、そこは警察署だったようです。
私は帰りの車に揺られながら、何かがおかしくて空笑していました。
次回に続きます。
